こんにちは、ひなたです。
礼装する機会がダントツに多い「結婚式」。
せっかくの機会だから着物を着ていきたい!と思う人もいるはずですが、普段着慣れていないものだとマナーについてもよく分からない…。
あるあるですね〜。
私は、季節的に着て行ける時は、結婚式には着物を着ていく派です。
最近の結婚式ではドレスの装いも様々で、昔ながらの礼装ルール通りでは逆に浮いてしまうことも。
そこで、TPOに合わせたイマドキ結婚式のルールをお伝えします。
結婚式で着物を着る時のマナー<未婚編>
結婚式に着物を着ていくと、「場が華やかになる」と喜ばれます。
新郎新婦の親族に着物が好きだったり詳しい人がいると、「準備が大変だったでしょう」などと声をかけていただけることもあります。
着物なら何でもいいのか?というと、そういうわけではありません。
着物にもしっかり、フォーマルな場にふさわしい種類のものがあります。
結婚式での主役はあくまでも新郎新婦ですから、まずはその二人に対して敬意を払った装いで出席するというのが基本。
その上で、自分の立場に合った着物を選ぶことが大切です。
未婚女性は振袖!
これはかなり浸透しているマナーですが、今一度確認しておきましょう。
振袖とは、未婚女性が着る着物の中で最も格の高い着物です。
長い袖を振って、相手への気持ちを伝えていたそうですよ。
今でも「フる」「フラれる」といった表現をしますが、元々はこの振袖に由来しているとは、何とも面白い話です。
振袖はもちろん、結婚式にもぴったりな着物です。
華やかな柄のものが多いので、結婚式のようなお祝い事にはうってつけです。
振袖には袖の長さによって
・小振袖(袖丈80cmまで)
・中振袖(袖丈90〜102cm)
・大振袖(袖丈114cm程度まで)
という種類に分けられます。
結婚式の参列者として振袖を着ていく場合はどのランクのものを着ても失礼にはなりませんが、大振袖を着ていく場合で花嫁もお色直しで振袖を着用する場合は、花嫁よりも目立たないものを選びましょう。
例えば、自分の結婚式で着た振袖を、相手の結婚式にも着ていくということはもちろんOKですが、花嫁とテイストがかぶってしまわないか、事前に確認をしておいた方がよいでしょう。
では、参列する結婚式の相手によって、着物の種類は変わるのでしょうか?
代表的な、友人として参列する場合と、親族として参列する場合を見てみましょう。
友人として結婚式に参列する場合
未婚女性が友人の結婚式に参列する場合に選ぶ着物は
・振袖
・訪問着
・色無地
・付け下げ
が良いでしょう。
合わせる小物は、錦糸などを使用し格調高い文様が織り出された丸帯・袋帯、エナメルなどの光沢がある草履やバッグ、白足袋、白半衿などが望ましいです。
参列する結婚式が神前式ならある程度ルールを守った方が無難です。
神前式は出席者の人数が限定され、厳粛なもの。
神前式に招かれたならそれはもう友人代表ということになります。
ですので、白衿、白足袋は必須。
見た目がチープなアクセサリーは控えましょう。
そういったアクセサリーはバッグに入れておいて、披露宴になったら付けるようにすればOKです。
対して、キリスト教の教会式であれば多少着崩しても大丈夫。
基本的に西洋の文化の中にキモノが入っていく分には規制は少ないと思って良いです。
ただしあくまでも儀式なので、柄衿でも良いですが、色柄足袋は避けましょう。
白レース足袋くらいだったら、白足袋に重ねて履けば透けることもなくフォーマル向きです。
バッグは洋装用のものでも、テイストが合いそうなパーティーバッグならOK。
20代女性なら、レザー素材でも若々しくて素敵です。
親族として結婚式に参列する場合
未婚女性が親族として結婚式に参列する場合に選ぶ着物は
・振袖
・訪問着
・色無地
が良いでしょう。
合わせる小物は、錦糸などを使用し格調高い文様が織り出された丸帯・袋帯、錦やエナメルなどの光沢がある草履やバッグ、白足袋、白半衿などが望ましいです
未婚だから振袖を着たいけれど、親族の中で目立ってしまわないか、という疑問があるかと思います。
振袖を着るとやはり若々しいイメージがあるので、20代なら問題ないと思います。もし30代で、ちょっと落ち着いて見せたい、というようなら、訪問着や色無地を選んでも良いでしょう。
親族としての参列は、主役とともにお客様をお迎えする立場であるため、「正礼装」もしくは「準礼装」という礼装の中でも格の高い着物を着用します。
そのため、どんなコーディネートでも欠かせないのが清潔な白足袋です。
この足元で礼装が完成します。
結婚式の着物の着こなし方あれこれ
結婚式にお呼ばれした時に着物を着るなら、どんなことに気をつけたらよいでしょうか。
また、どんな着こなし方をすればよいのでしょうか。
白い着物はNG?
白は花嫁の色。なので白いドレスは着ていかない、ボレロなども白は避ける、というマナーがあります。
では着物の時も同じでしょうか?
着物で白のものがあったとしても、白無垢の様な真っ白な着物はありません。何かしら柄が入っているはずなので、大丈夫。
もし白っぽい無地だったとしても、合わせる帯になにかしら模様が入っているため、白一色にはならないので問題ありません。
未婚だけれど留袖を着るのはあり?
ミセスじゃないのに結婚式に留袖を着ていくのは、問題があるわけではないので、着ることはできます。
本来「長い袖の振りで男性の気を惹く」という意味の振袖があり、その袖を切った留袖は「家に留まる」という姿勢のアピールでもあるため、未婚女性しか振袖は着用できないんですね。
なので、せっかく振袖を着ることができるのに、もったいないというのはあります。
ですが、年齢的に、イメージ的にもっと落ち着いた着物が良い、ということなら、未婚でも留袖を着用して良いです。
親族としてなら、五つ紋の付いた留袖を選びましょう。
もしゲストとして色留袖を着用する場合は、紋の数に注意が必要。
五つ紋の付いた色留袖は、黒留袖と同格になってしまいます。これは、お呼ばれのゲストとして着用するには格が高すぎてしまいます。
友人として参列する時に色留袖を着るならば、あえて格を下げ、三つ紋か一つ紋を選ぶようにしましょう。
二次会やカジュアルなパーティーでの着物の選び方は?
最近では多くなっているカジュアルなウエディングパーティーや、二次会などではどのような着物の着こなし方がベストなのでしょうか。
一般的な結婚式よりも砕けたものになる場合が多いので、そこまで気にする必要はありませんが
・振袖
・色無地
・訪問着
・付け下げ
ならどれでも良いでしょう。
レストランウェディングなどでは、主催側の新郎新婦も「堅苦しくないパーティーのようにしたい!」という希望でカジュアルなウェディングパーティーを選んでいるはず。
そのため、招待された方もそこまでがちがちなフォーマルを気にしなくて大丈夫。
新郎新婦はわかってくれます。
アクセサリーや小物に洋服アイテムをミックスしたり、足元に靴を合わせるのも、新郎新婦が許してくれそうならOK。
ただし、最低限の品格は損なわない様に注意が必要です。
自由でいいからといって、カジュアルダウンのしすぎは良くありません。
自分以外に主役のいるお祝いの場であるということを忘れず、招いてくださった方に失礼のない装いをすることが大切です。
ちなみに、こういうカジュアルなウェディングパーティーだと振袖はフォーマルすぎ!?と思う人もいるかもしれません。
ですが、振袖は柄も華やかなため、パーティーでも会場に華を添えてくれる存在になるので、心配ありません。
自分だけ目立ちすぎちゃうかな、と気になるなら、髪型やヘアアクセサリーはシンプルにしてみてはいかがでしょうか。
帯もボリュームの出すぎる変わり結びなどはしないようにすると、昔のお嬢様のような、品の良い可愛らしさが出せるでしょう。
まとめ
なかなか着る機会のない着物ですが、結婚式など特別な時にこそせっかくだから着てみたい!という気持ち、わかります。
マナーも大切ですが、ある程度のことが守られていれば、自分らしく着こなすのもよいでしょう。それはドレスでも同じことです。
大事なのは、結婚式の主役である新郎新婦へ敬意を払った装いで出席するということ。
その気持ちがあれば、だらしない着こなしや失礼な着こなしにはならないはず。
新郎新婦の晴れの日を、華やかな着物で一緒にお祝いできたら、とても喜んでもらえますよ。